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06 第50帖「東屋」

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「東屋」は宇治十帖の6、源氏物語第50帖にあたります。浮舟は、八の宮に仕えていた中将の君と八の宮の間とにできた姫です。浮舟は中の君のもとに身を寄せていましたが、そこで偶然出会った匂宮に言い寄られてしまいます。驚いた母は浮舟を三条大橋東の小家にかくしました。その浮舟の消息を知った薫は、浮舟を引き取って宇治に移しますが、浮舟を愛しく思いながらも大君の面影を見ていました。

東屋

あずまや

- さいとむるむぐらやしげき東屋の あまり程ふる雨あそそぎかな -

薫は浮舟を知り、あの大君にそっくりな姿にぜひともモノにしたいと考えていました。しかし、一方で、浮舟には左近の少将という求婚者がいました。浮舟の母である中将の君はその話を進めていましたが、浮舟が中将の君の夫、常陸の介の実の子ではないことを知ると破談にし、さっさと別の姫(実子である次女)と結婚してしまいました。左近の少将は、常陸の介の財産が目当てだったのです。

母の中将の君は、そのせいもあって浮舟の将来を心配し、匂宮に嫁いでいた異母姉の中の君を訪ね、浮舟の将来を相談するとともに、浮舟を中の君に預けていきました。

しばらくたったある日、匂宮が偶然に浮舟を発見し、さっそく言い寄ってきました。大事には至りませんでしたが、心配した中将の君は、三条のひなびた東屋に浮舟を移し、そこを隠れ家としました。

そこに、薫が訪ねてきました。

薫は、浮舟と一夜を過ごした後、匂宮から遠ざけて安全を確保するためにとして、浮舟を宇治の山荘にかくまいました。

宇治十帖古跡|東屋

東屋観音

案内板によると、像高115cm、鎌倉時代後期の作品と考えられており、現在、宇治市の指定文化財であり、東屋観音とよばれています。「この石仏は、花崗岩に厚肉彫りされた聖観音菩薩像で、別の石で造られた蓮華座に坐し、その上に二重円光を負い、宝冠をつけた右手は施無畏印、左手は蓮華を捧げて結跏趺坐する。」とあります。

東屋観音内にある、宇治十帖「東屋」の古跡を表す碑です。

宇治橋東詰、京阪宇治駅にほど近い場所にある東屋観音とよばれている場所が、東屋の古跡となっています。

【地図】宇治十帖古跡

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