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■探訪記(2010.04.29) |
所在地 : 青森県弘前市下白銀町1-1
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弘前城でついに遅ればせながら現存十二天守を制覇しました。最後を飾った弘前城を訪問したのはゴールデンウィークまっただ中。まだ肌寒さが残り、若干桜の満開には早かったですが、十分に堪能。天守閣以外にも多くの見どころがあるばかりでなく、城下町も魅力満載でした。
ミニチュア建造物群を展示しているところが一番おもしろかったかなと。中の喫茶店では津軽藩士が飲んだとされる再現コーヒーを飲むことができます。なんでも、弘前は初めて庶民がコーヒーを飲んだとされる場所。コーヒーの町としても売り出し中なのです。
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いざ弘前城へ |
東門 |
三の丸にある植物園 |
中濠 |
東内門 |
内濠 |
下乗橋から天守閣 |
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JALの株主優待割引の期限が迫っていたので、飛行機に乗ってどこか行こうと思ってチョイスしたのが青森空港でした。朝一番の飛行機で伊丹(大阪空港)から青森へ。そこからはバスで弘前入り。
とりあえずJR弘前駅前に到着して下車。とっくに北上してしまった桜前線を追っかけてきたら、この年の若干の桜開花遅れによって満開はまだ先の状態で来てしまったようです。それでも、弘前城は桜の名所として名高いのが分かります。圧巻の桜。お城と桜といえばさまざまな名所がありますが、その中でもかなり上位。感動的でした。
この弘前城はJR弘前駅からは距離があり、バスで移動しました。そして、下車したところは東門そば。あとで案内図で縄張りを確認しましたが、この東側に堅固な造りをした梯郭式だということがわかりました。ただ、西側にもおおきな濠を有するなどかなりの防御力があったことが想像できました。
東門から弘前城内へ。東門も含め弘前城の城門はすべてこのデザイン。さまざまなお城の城門を見てきた眼でみると、何とも言えない違和感があったのですが、それがのちに判明しました。東門や東内門などを見て、どこに違和感を感じたのかわかるでしょうか・・・。
この東門くぐったところが三の丸です。ここには植物園があります。また、弘前城には珍しく四の丸という郭も存在し、三の丸の北隣に隣接しておりレクレーション広場や護国神社などがあります。
さらに中濠をわたった先に東内門があります。この先が二の丸です。二の丸から内堀を隔てて望む天守は実に見事です。この付近や下乗橋から望む天守の姿が最も映えるところのひとつだといえるでしょう。
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本丸と天守 |
二の丸からの天守 |
本丸からの天守 |
枝垂桜 |
本丸模型 |
天守から(本丸と内濠) |
鷹丘橋 |
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残念だったのはしとしとと雨が降っていたことです。かなり肌寒かったです。桜前線の状況から関西(京都)と比較してマイナス1ヶ月で計算したのですが、雨までは計算外。さらにこの時期にしては冷たい。旅人が雨具を持っているはずがなく、少々難儀。とはいえ、小雨であれば元来野生児だった私にしてみれば如何に歳とろうともある程度は平気です。ただ、本丸に行くころには雨脚は徐々に強まり、天守に登る手前でついにありえないほどの本降りになってしまいました。経験上、この時期のこういった雨はしとしとと長く降るパターンが多いのでどうしたものかとテンションが下がってきてしまいました。
それでも、天守閣へ登ろうとしましたが、かなりの行列。待つ間、雨に濡れていたら、後ろに並んでいた老夫婦が親切に傘に入れてくれました。感謝感謝です。おまけに世間話にもりあがりました。正直津軽弁がかなり難解だったのですが、京都からやってきた事、出身は長崎である事など話し出すと興味津々に聞いてくれました。
さて、本丸側からの天守の外観を見てみてください。外側から見た感じと明らかに違います。一言でいえば質素です。見栄を張るために資金は少なかったが外側を豪華にしたのか、それとも当時弘前で流行った美的感覚なのか・・・。よく分かりませんが、なかなか不思議な外観をしています。外側と内側の両方が見られるアングルで天守閣を撮ってみると一目瞭然だと思います。
ちなみに、現在通称でも実質的にも天守閣といわれているこの建物は、実は御三階櫓として建てられたものです。ほかの名だたる名城のいくつかと同様、幕府に遠慮して天守閣を建設することを憚った代わりに、天守並みの規模と美しい外観を有した櫓を設け、そこを実質的な天守閣とした例はたくさんあります。
次は、鷹丘橋を渡り、北の郭方面へ。弘前城には現存する櫓が数棟あります。
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北の郭から二の丸 ~現存櫓群~ |
鷹丘橋付近の石垣 |
武徳殿 |
館神跡からの天守 |
本丸北東隅 |
二の丸丑寅櫓 |
二の丸 |
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鷹丘橋付近の石垣は野面積みです。関西のお城に特有の穴太衆による石積み法とどことなく違うような気がします。そして、本丸を後にして、北の郭へ。ここには武徳殿という休憩用の建物があります。弘前の名物、りんごジュースをいただきました。
北の郭の一角に「館神跡」という場所があります。ここは、豊臣秀吉の木像を御神体として安置したところで、神社建築があったところだそうです。発掘調査でも鳥居の礎石跡などが見つかっているそうです。現在ではこれといった建物はありませんが、この付近から内濠越しに見る天守閣がなかなか見ものです。
ちなみに、この北の郭がある付近は、弘前城の丑寅の方角になります。丑寅の方角といえば鬼門にあたり、いろいろなお城などに見られるように北東角を作らない工夫をしています。弘前城でも本丸は北東隅を凹ませた形をしており、内濠越しにその形を確認することができます。なお、ここにある二の丸丑寅櫓は三重の櫓として現存しています。
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ここから二の丸をぐるっと歩きながら、再び南側へ。途中からは内濠越しの美しい天守の姿、さらに進めば下乗橋も含めた桜と天守とのコラボ。美しいです。
さて、天守閣以外の現存する櫓や門を見て回ることにします。桜のトンネルを進みながらですが、二の丸にはこの丑寅櫓のほか、数棟の櫓が現存しています。ただ、天守に比べると訪れる人は少ないです。周囲は柵に囲まれており、中に入ることはおろか近づくこともできません。
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桜・下乗橋・天守 |
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二の丸辰巳櫓 |
二の丸未申櫓 |
櫓台石垣は切り込みハギ |
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現存する3つの櫓はこのようにすべて三層です。防弾・防火のため土蔵造りになっています。櫓台は低いながらも切り込みハギです。内部は公開されていませんでした。
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岩木山 |
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あの有名な「おいわき山」です。
弘前工業高校越しの岩木山。残念ながら天気が悪く全景を見ることはできませんでしたが、美しい成層火山独特の形が確認できます。「津軽富士」の異名で知られる山です。
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南内門〜三の丸追手門 |
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弘前城の城門はこのように初層部分が全体的に高く、アンバランスな造りです。また両側には土塁をもうけてあります。雪深いところの工夫でしょうか・・・。全体を簡素な素木造りにしていることなどから、全国の城門の中でも古形式の櫓門として注目されているそうです。
その先の杉の大橋付近の桜が見事。この日は全体的に5〜7分咲きといった感じでしたが、見応え充分です。両側の土塁、土塁上の桜・・・。中堀を眺めても絵になります。
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土塁で形成された桝形。さらにその先の城門。確かに西日本、東日本のお城とは違う雰囲気が醸し出されています。ここが追手門の名の通り、名実ともに弘前城の正門といえそうです。この付近が弘前市役所があるなど市の中心部。郷土資料館のほか、先に紹介したミニチュア建造物群があるところになります。
ちなみに、外濠の桜も美しいです。
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おしどり夫婦を発見。二の丸未申櫓と同時に撮影!和みます・・・。
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2010.04.29訪問
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