登場人物
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■薫 |
宇治十帖の主人公。光源氏(実は柏木なる人物)と女三の宮の間に生まれた子。八の宮の姫君である大君に心をよせている。 |
■八の宮 |
光源氏の異母弟。大君と中の君の父。故人。 |
■大君 |
八の宮の姫君。中の君の姉。 |
■中の君 |
八の宮の姫君。大君の妹。 |
■匂宮 |
今上帝と明石中宮の第三皇子。八の宮の姫君たちに興味を持っている。 |
■明石中宮 |
今上帝の中宮。父は光源氏。母は明石の君。匂宮の母にあたる。 |
■夕霧 |
左大臣。光源氏と葵の上との間に生まれた。 |
■六の君 |
夕霧の養女。匂宮との縁談がある。 |
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宇治十帖古跡「総角」 |
源氏物語で、八の宮の山荘があったとされる平等院の向かいの岸、宇治上神社の北側、大吉山の登り口あたりにあります。
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第47帖「総角」 |
- 総角に 長き契りを むすびこめ おなじところに よりもあはなむ - |
八月、八の宮の一周忌法要が営まれました。
喪が明け、それを機会にと薫は大君に自分の思いを伝えました。しかし、大君は薫の思いを頑強に拒み続けました。大君は父である八の宮の遺言の通り、生涯独身を貫く決心をしていたのです。その上で、薫には妹の中の君を強くすすめていました。
一周忌の法要が終わってしばらくの後、再び宇治の八の宮邸を訪れた薫は、大君の結婚を望む侍女たちの手引きによって、彼女の寝所に忍び込むことに成功しました。しかし、気配をいち早く察知した大君は、一瞬早く屏風の後ろに隠れ、薫から逃げることに成功しました。薫は、あとに残された中の君と語らいながら朝を迎えることとなりました。
大君が自分を拒み続け、中の君との結婚をすすめるので、薫は中の君と匂宮が結ばれることで自分との結婚を承諾してもらおうと考え、九月、匂宮を宇治に案内して、中の君と結びつけました。匂宮は、中の君のところに三日間通い続けた後にいったん都にもどりましたが、その後は父である帝や母の明石中宮の監視が厳しくなり、宇治に通うことが難しくなりました。さらに匂宮は、夕霧のむすめ、六の君と結婚させられます。これもすべて、匂宮の遠出や遊びを戒めるためでした。
これをきいた大君や中の君は、大層失望し、大君に至っては心労のあまり病に臥してしまい、十一月、薫に看取られながらなくなってしまいました。薫は、夢見心地で葬儀の段取りを行いました。
十二月、匂宮は宇治の中の君のところを訪れました。そして、中の君を京の二条院に迎える決心をして、準備を進め始めました。
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