登場人物
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■薫 |
宇治十帖の主人公。光源氏(実は柏木なる人物)と女三の宮の間に生まれた子。 |
■八の宮 |
光源氏の異母弟。二人の姫君(大君と中の君)と一緒に京を離れ、宇治の山荘に移り住む。 |
■大君 |
八の宮の姫君。中の君の姉。 |
■中の君 |
八の宮の姫君。大君の妹。 |
■匂宮 |
今上帝と明石中宮の第三皇子。薫とは幼馴染。 |
■弁 |
柏木の乳母の子。八の宮に仕える侍女。 |
■女三の宮 |
光源氏の妻だったが、柏木との間に薫をもうけた。 |
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宇治十帖古跡「橋姫」 |
宇治橋西詰めから100mほどのところにある橋姫神社が「橋姫」の古跡です。 |
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第45帖「橋姫」 |
- 橋姫の 心をくみて 高瀬さす 棹のしづくに 袖ぞぬれぬる - |
京の政争に巻き込まれ、その上母女御に先立たれてしまった八の宮は、京から離れ、俗聖として宇治で余生を過ごしていました。薫は、そんな八の宮のうわさを聞き、宇治の八の宮邸に通うようになりました。
そして、通い始めて三年目の秋、八の宮不在の晩、薫は筝と琵琶を合奏する八の宮の二人の姫君を垣間見ました。その姿に心を惹かれた薫は、姉の大君と逢いたく思い始めました。
京に戻った薫は、幼馴染の匂宮に八の宮の姫君(大君と中の君)のことを話し、匂宮はその姫君のことに深く興味を持ちはじめます。
そんな時、柏木の乳母子で、八の宮の侍女の弁から、実は薫は光源氏の子ではなく、柏木と光源氏の妻、女三の宮との間にできた不義の子だったという出生の秘密を知らされました。弁は、薫に出生の秘密と柏木の遺言を伝えることを約束しました。
その後、八の宮は姫君たちを薫に紹介し、死後の後見を託します。その晩、弁と昔語りをした薫は、手紙の束が入った袋を受け取り、帰京後にその中身を空けました。
すると、中からは、重病で死の直前にあった実の父、柏木が薫の母女三の宮にあてた手紙が出てきました。死の直前でおぼつかない鳥の足跡のような筆跡で、かび臭い匂いがしましたが、たった今書いたように墨痕は鮮やかで、薫は衝撃を受けました。
戸惑いを隠せなかった薫は、母女三の宮を尋ねましたが、尼姿となって無心に経をよむ姿に、秘密を知ったことを話す気がなくなり、ひとりで胸中に抱え込むことにしたのです。 |
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宇治十帖「橋姫」の古跡にある 橋姫神社 |
宇治橋の西にあります。明治3年(1870)の洪水で流され、今の場所に移されました。源氏物語第45帖「橋姫」の舞台とされています。 |
橋姫神社 |
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